はじめに:絶対におすすめできる哲学書の特徴

こんにちは。ライターのらりるれろです。今回は、みなさんが人生を終えるまでに絶対に読んでほしい哲学書を10冊厳選して紹介します。

これから紹介するのは「絶対」の価値がある哲学書です。なぜそう断言できるか。それは古典だからです。古典となっている哲学書が絶対読むべきである理由は大きく分けて二つあります。

一つは、その書籍が読み継がれている以上必ずそこには普遍的な価値があるということです。本屋に行けばいつでも「新刊発売中!」というようなポップが飾られていますが、今年発売された書籍のうち、一体何冊が10年後にも読まれているでしょうか?そう考えると、2000年以上読み継がれている古代ギリシアの古典の偉大さが実感できますよね。

そしてもう一つは、成熟した大人としての教養を身につけられるということです。例えばビジネスの場面で、「カントも言っている様に……」なんて言えたら自分の意見や立場に教養という地盤を与えられます。それに教養豊かな大人は無条件にカッコいいので、自然と人が周りに集まるようになるはずです。

というわけで、この記事では私が厳選したおすすめの哲学書の古典を10冊ご紹介していきます!

死ぬまでに読みたい人気・おすすめ哲学書10選

  • 『ソクラテスの弁明』
  • 『ニコマコス倫理学』
  • 『方法序説』
  • 『判断力批判』
  • 『エチカ 倫理学』
  • 『モナドロジー』
  • 『ツァラトゥストラはこう言った』
  • 『存在と時間』
  • 『全体性と無限』
  • 『差異と反復』
  • 人気・おすすめ哲学書①:『ソクラテスの弁明』

    1冊目は、古代ギリシア哲学の偉人、プラトンによる『ソクラテスの弁明』です。

    古代ギリシアの哲学者が集う学園アカデメイアに学んだプラトンは、師ソクラテスと弟子たちの間の哲学的な対話を多数の書籍にまとめて後世に伝えました。本書もその「対話篇」の中の一冊です。

    本書は、若者を悪事へと扇動した罪で起訴されたソクラテスが、裁判で自らの行為を弁明する場面を克明に描いています。「対話篇」の名の通り、刑事ドラマさながらの臨場感でストーリーが展開されているので、テンションを上げながら読むことができます。

    本書の重要性は、なんと言っても哲学の議論の進め方がわかりやすく示されているという点にあるでしょう。哲学は独りよがりな学問なのではなく、常に対話者を想定しながら進められる社会的な学問なのです。本書を読めば、そのことがよくわかると思います。

    人気・おすすめ哲学書②:『ニコマコス倫理学』

    2冊目は、古代ギリシア思想界最大の天才、アリストテレスの『ニコマコス倫理学』です。

    アリストテレスはプラトンの弟子で、プラトンからの教えをある程度継承しつつ、プラトン思想の限界を乗り越えた独自の哲学体系を築き上げました。実際、彼の構築した論理学は、19世紀末まで(2000年あまり!)論理学のモデルとして使われ続けていました。

    本書は、そんな天才アリストテレスが、歴史上初めて倫理学を厳密な学として規定した作品です。「幸福とは?」などと問うと「それは個々人の問題でしょ」と思われるかもしれませんが、アリストテレスはソクラテス・プラトンから継承した哲学の厳密な手法を用いて「幸福」という一見主観的な問題に客観的な価値を与えています

    現代の怪しげな「〇〇のための幸福論」にうんざりしている人は、ぜひ本書を手にとってみてください!

    人気・おすすめ哲学書③:『方法序説』

    3冊目は、「我思うゆえに我あり」で有名なデカルトの主著の一つ、『方法序説』です。

    ちなみに「我思うゆえに我あり」も、本書第四部の中に出てくる一節なので、気になる方はチェックしておきましょう。

    さて、本書は哲学書でありながら、哲学的視点に基づく「学問のススメ」でもあります。学問に興味がある人、これから学問を始めようとする人が、学問上の難問に出会ったときどうすればいいのか。そのための処方箋が、本書にはたくさん詰め込まれています。最も古い学問のハウツー本と言ってもいいかもしれませんね。

    哲学に興味がない人でも、高校や大学で専門的な学問を学びたいと思っている全ての人に教科書として贈りたい一冊を、ぜひご覧ください!

    人気・おすすめ哲学書④:『判断力批判』

    4冊目は近代哲学の巨匠、カントによる『判断力批判』です。

    私が哲学史から最も重要な人物を1人挙げるとしたらカントを選びます。現代社会の大部分はいまだにカントに追いついていないか、カントの作った枠組みの中で動いています。ですからカントを知ることはそのまま世界を知ることになります。

    本書『判断力批判』は、カントの主著として有名な「三大批判」(『純粋理性批判』、『実践理性批判』、『判断力批判』)の集大成になります。『純粋理性批判』で語られた経験に基づかず成り立つ純粋理性=悟性の問題と、『実践理性批判』で語られた経験的な実践理性の問題は、美・芸術の価値判断を司る判断力の問題に包括され、この判断力によって悟性・理性・感性が統一されるのです。

    美・芸術の価値判断は主観的なもので、数学・自然科学の客観的な理性的判断に劣るものだと考える人も多いかもしれませんが、カントは美学的な判断力を高く評価していました。単なる主観に還元されない、学問としての芸術・美学とは何か。芸術文化が疎んじられるこの国の人々にぜひ読んでほしい一冊です。

    人気・おすすめ哲学書⑤:『エチカ 倫理学』

    5冊目は、「汎神論」で有名なスピノザの『エチカ 倫理学』です。

    スピノザにおける汎神論とは、この世界における唯一の実体は神であり、万物は神が持つ属性の反映であるとする考え方のことを指します。いわゆる「一元論」ですね。

    こんなことを言うと何やら怪しげな宗教のように感じるかもしれませんが、本書はこれ以上ないと言っていいほど厳密な論理検証のもとに進められます。はじめに「定義」が示され、そこから「公理」・「公準」が求められ、以上をもとに「定理」という結論が導き出されています。その厳格さは、さながら数学書のようです。

    そして数学の証明のような厳格さの中で、スピノザは人間の幸福はいかにして可能かという問題を切り詰めていきます。ガラス職人でもあったスピノザならではの分析的な幸福論・倫理学には独特の味わいがあります。数学が好きな人もそうでない人もぜひ一度ご覧いただければと思います。

    人気・おすすめ哲学書⑥:『モナドロジー』

    6冊目は、みなさんの好きな(嫌いな?)微分・積分法の考案者としても有名なライプニッツの『モナドロジー』です。

    「モナドロジー」は「モナドの学」という意味なのですが、「モナド」とは、それ以上分割できない(空間的な「延長」を持たない)実体のことを指します。ライプニッツは、このモナドこそ世界の実体であり、世界は無数のモナドによって構成されていると考えました。いわゆる「多元論」ですね。

    当時数学者としても時代の最先端にいたライプニッツの思想は、数学と哲学の交差点における思想のあり方を私たちに示してくれます。哲学における数学的な厳密さ
    という問題に関心のある方におすすめしたい一冊です。

    人気・おすすめ哲学書⑦:『ツァラトゥストラはこう言った』

    7冊目は……説明が必要ないかもしれませんね。誰もが一度は聞いたことがある厭世の哲学者、ニーチェの『ツァラトゥストラはこう言った』です。

    「ツァラトゥストラ」とは、古代ペルシアで信仰されていた「ゾロアスター」のことを指します。ニーチェは、本書の中でキリスト教の伝統的な価値観を否定するために、キリスト教から見て異端であるゾロアスターの名を借りて語りを展開したと考えられています。

    破壊こそが創造であるとするツァラトゥストラの語りは、当時の哲学界に深刻な衝撃を与えました。文学や思想が保守化している今、改めて読みたい前衛としての哲学がここにあります!

    人気・おすすめ哲学書⑧:『存在と時間』

    8冊目も、なかなかの有名どころですね。ハイデガーの『存在と時間』です。

    本書が重要であるのは、ハイデガーが「存在しているもの」について思索するのではなく、「存在しているということ自体」について思索しようとしたことにあります。例えば、「りんごについて説明してください」と言われれば「赤くて丸い」などと返答できますが、「りんごが存在しているとはどういうことかを説明してください」と言われたら困りますよね。この難問について、「時間」をキーとして考え抜いた結論が『存在と時間』に示されています。

    私が今、ここに「ある」。この当たり前な事実に隠された可能性を、本書を読んでぜひ体感してくださいね。

    人気・おすすめ哲学書⑨:『全体性と無限』

    9冊目はおそらく哲学を学んだ人しか知らないであろう哲学者・レヴィナスの『全体性と無限』です。

    レヴィナスは本書で、自我を中心とした「全体性」の外側にある「他者としての他者の無限」との関係性を倫理として重要視しました。今ここに私がいる。この事実の背後には、私とは完全に異なっている「他者」との関係がある。存在が存在として成り立つ以前に、実は倫理的な関係が生じている。これがレヴィナスの考えなのです。

    アメリカを中心とする自己中心主義が正義として標榜されるようになった現代において、それでも倫理は存在論的に必要である。第二次世界大戦で親族のほとんどを失った筆者が語る現代の倫理学を、ぜひ一度見てみてください!

    人気・おすすめ哲学書⑩:『差異と反復』

    最後に紹介するのは、おそらく戦後の思想史で最も重要な思想家の1人であるドゥルーズの『差異と反復』です。

    本書の中でドゥルーズは、西洋哲学の伝統的な考え方を「同一性の哲学」として批判し、自己の同一性に還元されない「差異」を根底に置く新たな哲学を構想しました。
    私は私である。実はこの事実の背後には、現実に存在する私と認識された私との間の埋めがたい差異が隠れている。同一性とはこの差異を抹消することで生じる錯覚であるードュルーズはこのように考えていました。

    しかし悲しいかな、世界はいまだ同一性の論理の中で動き、同一性の外側にある他者は簡単に「抹消」されてしまっています。私たちが多様性のある社会を目指すならば、ドュルーズの思想には触れておくべきでしょう。

    おわりに:人気・おすすめの哲学書を読んで人生を深めよう

    いかがでしたか?

    この記事では死ぬまでに読んでおきたい哲学書を10冊選んで紹介しましたが、私としては正直100冊くらい紹介したいと思っています。それほどに、哲学の歴史には傑作と呼ばれるべき書籍がたくさん残っています。

    ですが人生に残されている時間は有限ですので、まずはこの10冊を読んでいただければと思います。大丈夫です。絶対に後悔はしません。これまで自分が絶対に思いつかなかった発想が一つでもあれば、その発想がきっと将来あなたの人生の糧になるはずです。

    哲学の素晴らしい古典の数々に触れて、人生の価値を深めていきましょう!それでは!

    1件のコメント

    1. ピンバック: デカルトの哲学書でどれがおすすめ?初心者向けの4冊を選びました! | 【OLUS】オンライン図書館

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