哲学初心者におすすめの哲学書、5冊選びました!

この記事を読んでいただいている方の多くは、これから哲学を学びたいと思っていることでしょう。

さて、みなさんは哲学や哲学書に対してどう思ってらっしゃるでしょうか?

「チラッと読んでみたことあるけど、難しい……。」

「なんとかして読みたいけど、時間がない……。」

「サクッと読める哲学書が欲しい……。」

そんなみなさんに、面白く、そしてためになる哲学書を5冊選びました!まずはこの5冊から哲学をはじめてみましょう!

哲学初心者におすすめの哲学書5選

以下で紹介する5冊は、いずれも

  1. 対話形式やエッセイ形式になっていて
  2. 普遍的に重要なテーマを含んで

います。ぜひご覧ください!

哲学初心者におすすめの哲学書一覧

 

哲学初心者におすすめの哲学書①『ソクラテスの弁明』

本書についての詳しい紹介は、以下の記事をご参照ください。

『ソクラテスの弁明』とは

最初に紹介するのは、プラトンの『ソクラテスの弁明』です。

岩波文庫から『ソクラテスの弁明・クリトン』(久保勉訳、1927年初版)という書名で出版されているのですが、『ソクラテスの弁明』の部分はわずか56ページしかありません。

しかも本書は、裁判にかけられたソクラテスが裁判官たちに自らの主張を述べるという形で進められるので、臨場感を持って読めます。その点では、ある意味本書は小説であるとも言えますね。

『ソクラテスの弁明』の内容

アテナイの市民であり、神や真理についての研究を行っていたソクラテスは、若者を悪事・不正へ煽動した罪で告発されてしまいます。裁判所でソクラテスは、裁判官や証人たちとの対話の中で、彼らの主張の矛盾を一つ一つ示していきます。

この手順が非常に鮮やかで、かっこいいんですよね!現代の刑事ドラマにも通じる面白さを、本書でも感じてもらえると思います。

しかし結果的にソクラテスは死刑を言い渡され、刑死してしまいます。神や真理の命じるところに従い、かつ国の法律にも従ったソクラテスは、神・真理と国法との間の矛盾によって命を落としたのです。

『ソクラテスの弁明』の重要性

神とは何か。真理とは何か。法とは何か。ソクラテスの死は、私たちにこのような普遍的な問題を突きつけてきます。

皆さんもぜひ、本書を読みながらこのような問題について考えを深めていきましょう!

哲学初心者におすすめの哲学書②『方法序説』

本書についての詳しい紹介は、以下の記事をご参照ください。

『方法序説』とは

二つ目に紹介するのは、デカルトの『方法序説』(谷川多佳子訳、岩波書店、1997年初版)です。

実はこのタイトル、元々は『理性を正しく導き、学問において真理を探求するための方法序説』となっています。わかりやすく言うと、「真理を探求する哲学のような学問を行うための方法論をこの本で示しますよ」ということです。

そして、そういう観点で言えば、本書の中で最低限読むべきは第2部と第4部の併せて26ページしかありません。通学の電車やバスの中で読めてしまいますね。

それに、デカルト自身の体験を織り交ぜながら議論が進められるので、エッセイのように読むこともできます。

『方法序説』の内容

本書の第2部では、真理を探求する上での4つの規則が示されています。本書28ページから29ページまでの記述を参考にすると、こんな感じにまとめられます。

  1. 私が明らかに真であると認めるものでなければ、いかなるものも真とは認めない
  2. 難問は小問題に分割して解く
  3. 最も単純な事柄から思考を始めて、徐々に複雑な事柄に対応するようにする
  4. 以上の手順が完了したら、全体を見渡して欠陥がないか確認する

いかがでしょうか。どれも問題処理に関する基本的な手法ですが、これだけでは問題解決の第一歩を踏み出せないことにお気づきでしょうか。というのも、「私が明らかに真であると認めるもの」とは何かがまだ分からないからです。

この問題に対して、デカルトは本書第4部で以下のように答えています。

「私は考える、故に私は存在するというこの真理は、懐疑論者のどんな途方もない想定といえども揺るがしえないほど堅固で確実」(本書p46)であるのだ、と。

私は限りなく様々なことを疑えるが、疑っている私自身は疑いえない。ならば、その疑っている私自身は確実に真であると認められるというわけです。

そしてデカルトは、この真理からスタートして、学問上の難問を解いていくのです。

『方法序説』の重要性

疑いえない真理からスタートして、徐々に難しい事柄に対処するようにする。問題に対処する方法として、これほど普遍的な主張は他にありません。今一度、肝に銘じて日々を過ごすようにしたいものです。

哲学初心者におすすめの哲学書③『永遠平和のために』

本書についての詳しい紹介は、以下の記事をご参照ください。

『永遠平和のために』とは

3つ目に紹介したいのは、カントの『永遠平和のために』(宇都宮芳明訳、岩波書店、1985年初版)です。本書はカント晩年の小論で、後の国際連盟設立の際に思想的な基盤として採用された本でもあります。

平和論の古典として非常に重要な著作ですが、本論がわずか43ページしかなく、しかも専門用語が少ないので手軽に読めてしまいますね!

『永遠平和のために』の内容

カントが語る「永遠平和」とは、戦争と戦争との間の一時的な平和ではなく、もう2度と戦争が起こらないような恒久的な平和を指しています。

本書第一章ではその永遠平和のために必要な諸条件が示され、続く第二章で永遠平和のための具体的な方策が示されます。

第一章で示されている諸条件の中で、おそらく今最も重要なのは「常備軍の廃止」でしょう。本書発行から300年以上経過してなお国際社会はこの条件を満たせていません。いかに永遠平和の実現が困難であるかがわかりますね。

そして、仮に永遠平和のための条件が全て揃ったら、次は実際に行動せねばなりません。第二章では、国際社会は以下の三つの行動をとるべきであるとカントは主張しています。

  1. 共和制の確立
  2. 自由な諸国家の連合制度の確立
  3. 普遍的な友好圏の確立

これらの行動が全て果たされた暁には、文字通りの「永遠平和」が待っている。カントはそのように考えていました。

『永遠平和のために』の重要性

永遠平和のための条件も行動もまだ実現には程遠いですが、今の社会に何が足りないのかということが、本書を読めば明確になってくるはずです。本書を読んで、一歩ずつ永遠平和のために前進していきたいですね。

哲学初心者におすすめの哲学書④『読書について』

本書についての詳細は、以下の記事に掲載しております。

『読書について』とは

4番目に紹介するのは、デカルト・カントに並ぶ近代思想界の巨匠ショーペンハウエルの短編『読書について』です!

邦訳文庫版わずか21ページという短いエッセイですが、毒舌で知られるショーペンハウエルの風刺に満ちた読書論のエッセンスが詰め込められています。

『読書について』の内容

読書とは他人の頭で考えることであるとショーペンハウエルは指摘しています。ゆえに、読書をしすぎると自分の頭の思考力が弱くなってしまう。だから私たちは良書を選んでそれらをじっくり咀嚼して考え尽くさねばならない。印刷物が急激に増えていた時代へ向けて、ショーペンハウエルは多読を強く戒めていました。

では良書とは何か、ということが問題になりますが、ショーペンハウエルは古典作品を推奨しています。時代を経てもなお読み継がれている書籍には普遍的な価値があるということですね。

『読書について』の重要性

ショーペンハウエルが本書で警鐘を鳴らしたにもかかわらず、現代では古典が軽んじられ、(言い方は悪いですが)どこの誰かわからないような人が書いた本が飛ぶように売れています。

もちろん娯楽として読書する分にはそれで構わないのですが、教養として使うために読書するならば、読む本は選ばねばなりません。本屋や図書館へ行くときには、今一度読む本を吟味したいものですね。

哲学初心者におすすめの哲学書⑤『重力と恩寵』

この書籍についての詳細はこちらからご覧ください。

『重力と恩寵』とは

最後に紹介したいのは、若くして哲学者としての才能を認められながら、摂食障害に終生苦しんだ末に34歳の若さで夭折した天才、シモーヌ=ヴェイユの『重力と恩寵』です。

本書は哲学書ですが、同時にシモーヌ=ヴェイユという1人の女性の生き様が見える伝記的小説としても読めます。「たとえこの身が泥の塊となりはてても、なにひとつ穢されずにいたい」。岩波文庫『重力と恩寵』の表紙には、本書に刻まれた彼女の思いが端的に美しく表現されています。

少なくとも私にとって、これほど美しい文体で書かれた哲学書は他にありません。たとえ本書の内容が理解できなくとも、一つの文学として十分に楽しめる一冊になっています。

『重力と恩寵』の内容

この世に働く力は2種類に分類できます。この身に降りかかる全ての宿命(不幸)としての重力と、この私を救済する恩寵によって世界は構成されている、とヴェイユは主張しています。

ではどうすれば不幸から解放され、恩寵を享けることができるのか。そのためには自我を消滅させ、この身を神と一体化させなければなりません。そうすることで初めて、神との間に愛の合一が生まれ、純粋な真理と繋がることができるのです。

『重力と恩寵』の重要性

オイオイ、何やらすごい怪しいこと言ってないか、大丈夫かヴェイユ?と思った方がいらっしゃるかもしれませんが、大丈夫です。みなさんにとって「重力」や「恩寵」という表現が怪しげに感じられるのは、これらの表現がキリスト教に由来するものだからです。

本書には、古代ギリシアから20世紀までのキリスト教世界の思想が凝縮されていますので、本書を読むだけでキリスト教的西洋思想史がざっと概観できます。思想について知識が浅い方は、ぜひ本書を読んでから他の思想書を読んでみてくださいね。

哲学初心者も、まずは哲学書を5冊読んでみよう!

5冊読めば、とりあえず「哲学ってこんな感じか〜」ってことがわかります。そうなれば、他の哲学書もなんとなく雰囲気を掴めるようになり、読みやすくなります。

ですので、まずは入門の5冊、サクッと読破しちゃいましょう!まずは1冊気になるものを買って読んでみましょう!


4件のコメント

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