【番外編】哲学初心者向け!哲学書の読み方の3つのコツ

【番外編】哲学初心者向け!哲学書の読み方の3つのコツ

哲学の初心者が哲学書を読むにはコツが必要

この記事を見てくださっている方は、哲学書を読もうとしている方、あるいは哲学を読んでみたが挫折した方が多いと思います。そんなみなさんに、一言言わせてください。

ありがとうございます!!!

出版不況の中、人文思想業界は肩身の狭い思いを強いられています。それでも何とか書店の片隅で人文思想コーナーが生き続けられているのは、みなさんのような方々が高くて読みにくい哲学書に手を伸ばしてくださっているからに他なりません。この場を借りて、感謝を申し上げます。

とはいえ、みなさんもせっかく買った本なのだから、読んで理解したいですよね。そこでこの記事では、読みにくい哲学書を何とかして読むための3つのコツをお伝えします。

哲学書に興味を持った方が、この記事を読んでストレスなく哲学書を読めるようになっていただければ幸いです。

哲学の初心者が哲学書を読むための3つのコツ

哲学書:読み方のコツ①:序文か後書きだけをまず読め

哲学書の読み方で一番大事なことは、いきなり全部読もうとしないことです。

『方法序説』みたいに短めの哲学書ならまだ何とかなるかもしれませんが、『精神現象学』みたいに文庫版で1000ページ以上ある哲学書を馬鹿正直に最初から読もうとするのは自殺行為です。方位磁針なしでアマゾンの奥地を探検しようとするようなものなので、哲学書と心中する意志がある方以外は、おやめください。

じゃあどこを読めばいいのか、という話ですが、序文か後書きから読んでみるのがおすすめです。序文にも後書きにもその本の内容の概要が示されていることが多いので、そこだけ読めば「なるほど、そういう話なのね」と理解できます。

たまに序文も後書きもない時がありますが、その時は本の裏表紙やオビをご確認ください。最低限、その本のテーマくらいは書いてあるはずです。

いずれにせよ、最初はその哲学書のテーマをきちんと理解することから始めましょう。

哲学書:読み方のコツ②:論理体系として哲学書を捉えよ

哲学書の読み方の2つ目のコツは、日本語を読んでいると思わないことです。

確かに、「存在」とか「神」とか「主体」とか、ある程度日常的に使う言葉も哲学ではよく登場します。どんな高尚な哲学の理論も、煎じ詰めれば日常的な体験を源泉としているからです。

しかし、それらの言葉はあくまで個々の哲学書の文脈の中で意味を持っています。例えば「神」なら、デカルトスピノザライプニッツニーチェヴェイユレヴィナスでそれぞれ違った意味を持っています。このサイトの中でも紹介していますので、それぞれの記事をご参照ください。

というわけで、日常で使う言葉だからといって辞書的な(普通の)意味で言葉を理解するのではなく、その哲学者の論理体系の中でその言葉が果たしている役割から言葉を理解することが大事なのです。

哲学書:読み方のコツ③:何がわからないのかを理解せよ

哲学書の読み方の3つ目のコツは、自分がわかっていない部分を理解することです。

「わかっていることを理解するんじゃないの?」と思われるかもしれませんが、哲学のテーマは、書いている本人にも厳密にはわからないものばかりです。哲学書には、その著者が理解できていない部分が克明に記録されています。良い哲学者とは、自分が理解できていないことを正確に理解できている人のことなのです。

ですので、哲学に関わる者の一人として、みなさんにも自分が理解できていないことを正確に理解するよう努めてほしいと思います。

自分が理解できていない部分を十分に理解できれば、自分がどのように読むべきなのかが明確になります。哲学書を読むことは、平たくいえばこの作業の繰り返しです。わからない部分を明確にして、それがわかるように努力する。

古代ギリシアの哲学者ヒポクラテスは、 “Ars longa, vita brevis”という名言を残しました。「学問の道のりは長く、人生は短い」という意味です。哲学の道は、長く険しいですが、一歩ずつ進んでいけば、いつか高みに到達できます。そう信じて、目の前にある分厚い哲学書を少しずつ読み解いてみてくださいね。

コツを掴めれば、初心者でも哲学書は読める

いかがでしたか?

この記事では、哲学書を何とかして読むための3つのコツをご紹介しました。全て基本的なことですが、これらのコツを忘れないでおくと、長い哲学書でも挫けずに読み進められると思っています。

ローマは一日にして成らず。一気に全てを理解しようとせず、ゆっくり一歩ずつ哲学の階段を昇っていきましょう!



2件のコメント

  1. ピンバック: 【板書は写すな】早稲田のGPA満点男が教える大学の講義の受け方 | 【OLUS】オンライン図書館

  2. ピンバック: 哲学初心者におすすめの哲学書5選 | 【OLUS】オンライン図書館

コメントを残す