目次
この記事について
この記事は、2022年卒の早稲田大学4年生の就活生の話を参考に、「就活を始める前や始めた直後」に読んでもらうことで、就活をよりよく進めるスタートガイドになればという想いで執筆しています。
普通であれば、経験を元にして帰納的に理論化するような話や、先輩から聞かないと分からないような話を、「就活のプラチナルール」として、1つの記事に集約させています。
実際の就活生の「こんなことが良かった・悪かった」「ああすれば良かった」という声や、「こんなアドバイスが参考になった」というのをまとめていて、非常に参考になるかと思います。ただ、ここに書いてあることを鵜呑みにはしないで欲しい(経験則ベースであることをお忘れなく)ですが、少しくらいは参考になる部分があると思います。ぜひ、「この部分良いな!」「この部分参考になるな!」というのを見つけてください。
*一部に、本記事を批判する方がいますが、ネットの記事は取捨選択することが前提です。先述しましたが、鵜呑みにはせず、使える部分を自分の就活に活かしてください。本記事で紹介するサービス等は、アフィリエイト(広告)ではありません。使えると思ったからこそ紹介をしております。
この記事を読んで欲しい人・読むと良い人
・就職活動で頼れる人(先輩など)がいない人
・就職活動のスケジュール感などを全く知らない人
・「この会社に行きたい」がまだ1社もない人
・「自分のやりたいこと」が言語化できていない人
・就職活動がどうにかなると思っている人
この記事のライター
専門:教育工学(アクティブラーニングなど)
活動:メディアのWEBチーフ、映像授業開発、大学の教材開発など
↓この記事のライターにインタビューした記事はこちらです。ライター自身がどんな就活をしていたのか気になる方はこちらをご覧ください!
まずは、就活の基本を知ろう
就活の基本的なスケジュール
まずは、多くの人が気になるであろう就活のスケジュールです。以下の表に目を通してください。
3年生6月 | インターンシップが徐々に開始 |
3年生11月 | 一部企業で選考が始まる(ベンチャー企業が多い) |
3年生12〜2月 | 多くの企業でインターンシップが実施される |
3年生3月1日 | 就職活動が解禁される(エントリーの開始) |
3年生3月〜4年生5月 | ほとんどの企業で採用面接などが行われる |
4年生6月 | ほとんどの企業で採用活動が終了する |
4年生6〜8月 | ごく一部企業で採用面接などが行われる |
表に掲載しているのは大雑把なスケジュールなので、行きたい企業がある人は必ずその企業の採用スケジュールを確認してください。ただ、全体としての動きを把握して損はないため、頭に入れておきましょう!
表をわかる通り、ほとんどの会社において、4年生の5月末で採用活動を終了します。エントリーを考えると、就職活動が解禁される3年生の3月1日までに、行きたい企業を明確化しておかなければならないことが分かります。
内定はいつ取れば良い? いくつ取れば良い?
内定取得時期の目安や個数を考えるにあたって、企業別の採用スケジュールを把握する必要があります。
ベンチャー企業・中小企業→随時スタート(3年生11月ごろ〜)
老舗企業・大企業→一斉スタート(3年生3月1日〜)
となっているので、ベンチャー系で内定1個をゲットして、大企業などの選考に望むのが理想になりますね。ベンチャーや中小企業に行く気がないと思っている人であっても、「内定がある安心感は超々々々……々々々絶大」なので、必ず1つは内定をゲットしておきたいところです。
ベンチャー企業や中小企業が3年生の11月ごろから採用活動を行なっていることを考えると、ゴールデンウィーク(5月上旬)には内定を1つ持っている状況が理想となります。なんなら、「GWに内定がないとヤバい」と言っても過言ではないかもしれません(焦りは絶対に禁物ですが)。
まとめると、「ゴールデンウィーク(5月上旬)には、ベンチャー企業や中小企業の内定を1つゲットして、3月1日以降の本格化した採用活動に臨む!」となります。
ちなみに、複数内定を取ることに意味はない(行く企業は1つですよね)ので、内定コレクターになろうとはしないでくださいね!(良い企業の内定を取ったら他の選考は途中でもやめてOK)
ちなみに、6月になっても就活をしている人に話を聞くと、「就活を始めたのが遅かった。今募集しているのが○○業界しかなくて、そこを仕方なく受けている」と言っていました。早めのスタートととゴールデンウィークまでの内定が重要であることがわかりますね。
就活はいつ始めれば良い?
結論は「今すぐに始めて下さい」です。どんなに遅くとも3年生の夏休みには考え始めないといけません。
就活は、インターンや説明会に参加するだけではなく、企業探しや自己分析もしなければいけません(やり方は後半に記述)。企業探しや自己分析には非常に時間がかかります。今すぐ始めることで、良い企業を見つけたり、より良い自己分析をすることができます。
この記事(↓)に書いていることを少しずつでも始めて行きましょう。
面接・テストへの「対策」のお話
エントリーシートへの対策
エントリーシートにはさまざまな種類がありますが、メインの質問は大きく2つです。その2つとは、
①志望理由
②自己PR
です。そして、超重要なのが「志望理由」となります。まずは、分かりやすい自己PRからお話しします。
ES対策①:自己PRの書き方
自己PRはいわゆる「強み」というやつです。例えば「私は負けず嫌いであるという強みがあります。」とかですね。これは、自分の強みを書いて貰えば構いません。アピールポイントをそのままかけるので比較的簡単です。
ちなみに、フォーマットをお教えします。このフォーマット通り書けばOKです。
・1つ目は、○○という強みです。
・なぜなら、〜〜だからです。例えば、△△な時に、□□なことをしてこの強みを生かしました。
・以上より、この強みは、貴社の☆☆な部分に生かせると考えています。
・2つ目は、……
・以上の××と▽▽の2点が私の強みとなります。
理由や、自分自身の経験と結びつけて信頼性を増すとともに、論理的な展開を行いましょう。ちなみに、自己PRは、他の企業でも使い回しOKです。一回、自己PRをいい感じに書いてしまえば基本はコピペですね笑
ES対策②:志望理由の書き方
志望理由ははっきり言って難しいです。難しいし、企業はエントリーシート(ESと略します)で非常に重要視します。さらに、ESで書いたにも関わらず面接でも聞いてきます。(同じ内容を話せば良いのですが、面接でも使うため時間をかけて練る必要があります)
一言で言って、志望理由は「好きな人へのラブレター」だと思ってください。「〇〇だから、私と付き合ってください(採用してください)」という内容が志望理由です。
告白する情景を思い浮かべてください。経験のない人も頑張って思い浮かべてください……。
自分:「あなたは、かわいい(かっこいい)ので付き合ってください」
と言ったとします。でも、
相手:「いや、かわいい(かっこいい)人は、他にもいるよね。なんで私(僕)じゃなきゃダメなんですか?」
と言われてしまうでしょう。他にきちんと理由がないのなら、その人に告白する必要がない(誰とでも良いから付き合いたい)ということになります。
これを就活に置き換えると、「その会社でなければならない理由」がないなら、その会社に入りたい理由がない(どこでも良いから入社したい)ということになってしまいます。ですので、「その会社でなければならない理由」を探して、それを書かなければいけないということになります。だから、選考に進む企業のことをきちんと知らなければなりませんし、それが理にかなっていないといけません。だから、難しいんです!!!
基本的には、相手(企業)を褒めることになります。例えば、
「貴社の〇〇な点は、お客様のことを本当に第一に考えていることが表れている」
「貴社のビジョンの〇〇の部分が私の△△な価値観と合致しており、共感できる」
などが挙げられます。
一応、志望理由を書く簡単な方法をご紹介しておきます。
②共感できる部分をピックアップする
③「貴社の○○に共感するためです。なぜなら…。」と書く。
です。徐々に慣れていきましょう! いっぱい書いて、他に人に意見をもらいましょう!
*意見をもらう人としておすすめなのは、「出版やメディアのサークル・部活・団体に属している友達」です。文章の書き方を訓練されているので、良い感じに添削してもらえるはずです!
*御社(おんしゃ)は話し言葉で、貴社(きしゃ)は書き言葉です。なので、文章で書く際は「貴社」を使います。「貴社」と書いていても、読むときは「おんしゃ」です。
私が実際に添削した人の志望理由を一部抜粋して掲載します。参考にしてください。(営業)
1つ目は、貴社が商材を必要としている人にしか売らない営業、つまりお客様を第一に考えた営業を行なっているからです。私は、「売った後の商品が実際に役立っていないなら、売っていないのと同じ」だと考えるため、契約本数を取ればよしとする営業に疑問をもっています。貴社の営業にはノルマがないため、目の前のお客様にヒアリングをして、本当に商品を必要としているか否かを見極めたうえで、売るか売らないかを決めることができます。私は、このようなお客様を大切にしている営業を素晴らしいと感じました。
2つ目は、貴社では、接客や商材を通してお客様の生活を180度変化させることで社会貢献ができると考えたためです。私の母は…(略)。私の身近な人の、初めて使う商品によって生活が変わる場面を見たため、貴社の、(略)という方針に深く共感できました。このように、お客様の生活・お客様自体を変える仕事に魅力を感じるとともに、社会貢献にも大きく繋がると考えています。
面接への対策
面接への対策ですが、具体的な対策内容をみっちり書いてしまってはこの記事の趣旨とはズレてしまうので、次の3つを意識しましょう。
面接対策①:分かりやすく、論理的に話す
→筋道を立てて、わかりやすく話しましょう。自分の知っていることを相手の知っていることと思わないで丁寧に話すことや、結論を先に言って何の話なのか分かるようにしましょう。また、質問に対する回答は1分程度(文字で400字弱)を目安に行いましょう。
面接対策②:面接は事前準備をしっかりする
→突拍子もない質問をされることは少ないので、事前準備をきちんとしておきましょう。志望理由、自己PR、ガクチカなど、定番の質問は確実に答えられるように用意しましょう。ESをきちんと書くことが、面接対策にも繋がります。
面接対策③:面接は回数をこなして慣れていく
→面接は慣れると緊張もしにくくなります。面接や、面談の経験を重ねるごとに慣れていきましょう。もし落ちてしまった場合には、どの質問がだめだったのか、なぜダメだったのか、どうすれば良かったのかを必ず考えるようにしましょう。
「ガクチカ」とは:就職活動において質問されることの多い「学生時代に力を入れたことは何ですか?」という質問の略。就職活動においてよく使用される。
SPIなどのテストへの対策
SPIなどのテストについて、対策は可能ですが、
・テスト勉強をしても大幅に伸びない
・SPIなどは対策をするほどの価値がないような評価指標である
という残念な事実があります。
試験内容は中学生レベルなので、「できない人は頑張ってもできない」ですし、「できる人は頑張らなくてもできる」という特徴があります。また、ベンチャー企業や中小企業を視野に入れている人は、テスト自体がないことや、重要視されていないことが多いです。
よっぽど、テスト勉強の時間を、企業研究・自己分析・ESの時間にした方が有意義です。その辺を注意しながらテスト対策をするのか決めてください。
テスト対策①:模試を解く・実際に選考で受験する
→テスト対策も慣れるのが一番です。就活サイトで公開されているような模試を解いて、問題慣れをしましょう。特に言語の単元などは今までやったことがない問題形式の場合が多いため、ぶっつけ本番はお勧めしません。
テスト対策②:テスト形式を知る
→テストはSPIだけではありません。CABや3E-iなど、様々なテスト形式を知り、問題を解き慣れておきましょう。(もし、選考に進む会社の試験が分かるのであれば必ず調べておきましょう。)
テスト対策③:普通に勉強する
→先ほども書きましたが、対策をする価値のない(費用対効果が悪い)ので、分厚い参考書を解くなどの対策はお勧めしません。それを踏まえてお勧めは以下の2冊です(薄くて取り組みやすい)。すごく苦手な人は両方、少し苦手な人は直前トレーニングの方を取り組みましょう!
性格診断への対策
残念ながら、性格診断に対策の術はありません(嘘を回答するのは絶対にダメですし、バレる可能性もあります)。
ですが、押さえておきたいポイントはあります! 性格診断のポイントは大きく以下の2つです。
性格診断対策①:事前に性格診断をやって、自分の特性を把握しておく
→適正診断には何種類かありますが、iroots(3E-p)やOfferBox(適性診断AnalyzeU+)といった就活サイトでできる性格診断があるので、必ず受験をして自分の特性を知っておきましょう。
性格診断対策②:「仕事モードの自分」を意識して取り組む
→性格診断には多くの場合、「普段の自分を意識して回答してください」というような指示が行われます。これは、「家でゴロゴロしている自分」ではなく、大学で授業を受けたり、仕事をしたり、サークルで会議をするような「仕事モードの自分」をイメージして回答するようにしましょう。その方が、良い結果が出るだけではなく、会社も求めるような結果に近くなります。
グループワークへの対策
インターンなどに参加すると、グループワークをさせられることがあります。大抵の場合は、3名〜5名程度の人数で、30分程度の時間に1つの課題を与えられます。例えば、「チームが上手く回るのに必要な3つの要素を考えてください」や「○○社のこの強みを生かして、新商品を考えてください」というような課題が与えられます。
グループワークで気をつけたいのは3点あります。これらを押さえればグループワークは大丈夫です。
①協調性を大切にする
→相手を論破しないことと、意見を言えていない人を助けてあげる工夫をしましょう(もちろん話の論理性は重要ですよ)。
②リーダーや発表者になることに固執しない
→リーダーとして仕切ったり、発表する人が偉い印象がありますが、それらには固執せず、「ディスカッションがうまく回るために何ができるのか」を考えて、話し合いに参加しましょう。
③いろいろな工夫をする
→先ほどの「ディスカッションがうまく回るために何ができるのか」とも被りますが、とにかく工夫は評価されます。例えば、zoomでディスカッションをして議事録を取る際、人事の人は議事録を見れないですよね。評価者が見やすいように(と、グループメンバーも見やすいように)画面共有をすると工夫になります。そういう小さな心遣いを忘れないようにしましょう。
就活常識や就活あるあるへの対策
対策系の最後は軽い話です。就活の常識って、みんな知っていて当たり前という雰囲気で進みます。みんなどこから情報を仕入れるんでしょうね?
私のおすすめはYouTubeです!!! ふざけているのかと思うかもしれませんが、一切ふざけていません。もちろんググって、色々なサイトの記事を見て欲しいとは思いますが、楽しく、手っ取り早く知るには面白いYouTuberさんの動画をみるのがおすすめです。(*個人の見解です笑)
私のおすすめYouTuberはGOLILA-GOLILA【ゴリラゴリラ】さんという方です。1人で何役もこなして、面白おかしく就活あるあるを紹介しています。何にもやる気が起きない時などの時間つぶしとしてでも良いので、ぜひ見てみてください。
参考)再生リスト「就活」
*宣伝ではありません笑
就活サイト・サービスに登録しよう
就活サイトへの登録は、就活スタートの第一歩です! どんな種類のサイトやサービスがあるのかを把握して、登録をしましょう。優先度の高い順にご紹介します。
*アフィリエイト(広告)ではないことを示すため、リンクの掲載は行っておりません。ご自身で検索して、閲覧・登録等をお願いいたします。
優先度①:スカウト型就活サイト
絶対に登録して欲しいのが、スカウト型就活サイトになります。スカウト型とは、就活生が自己PRなどの情報を入力し、それを見た企業側が「この学生は自分の会社と合うな」と思ったらスカウトをしてくれます。つまり、企業と自分自身とのマッチングがある程度担保された状態で就活を始めることができます。企業と自分が合うのかというのは、自分では判断が難しいので、必ず登録しておきましょう。登録してスカウトをもらうことで新しい方向性が見えることもあります。
スカウトをする際に、なぜ自分をスカウトしたのかの理由をほとんどの場合で書いてくれるので、それも参考になります。スカウト型就活サイトでのおすすめは次の2つです。(両方登録することをお勧めします)
①iroots
超優良企業しか登録していないため、非常に厳選されたスカウトが貰えます。筆者自身は通算で15社前後のスカウトを貰いました。どれも聞いたことのある有良企業ばかりでした。
特に、irootsの優れているのは、オファーが厳選されているという点です。一括オファーなどができず、企業の人が1人1人に対して丁寧に対応してくれます。例えば、いきなり説明会ではなく、個人面談を設定してくれることも多く、内容の濃い話をすることができます。
ただ、プロフィールが微妙だと、全くと言って良いほどスカウトが来ないほど厳密なサービスなので気をつけましょう。
②OfferBox
こちらは登録している企業数が非常に多いスカウト型サイトです。登録企業が多い分、スカウトがバンバンきます! 筆者自身は通算で20社前後のスカウトを貰いました。
OfferBoxは、スカウトを貰いやすい一方で、スカウトの質が低いことがあるので気をつけましょう。「え、何でこの会社が自分をスカウトするの?」的なことが起こります。スカウトを鵜呑みにはしないで、きちんと自分自身でもスカウトの承諾をするか判断をしましょう。
優先度②:イベント型就活サービス
イベント型就活サービスとは、企業の人がプレゼンをして学生がそれを聞いたり、企業の人とカジュアルに話すことのできるようなイベントを提供してくれる就活サービスのことです。私の知っているものだと、Meets Companyなどがあります。
実際の参加者に話を聞くと、「自分の知らない会社に出会うことができる」「自分が考えてもいなかった業界の話を聞けるから、いろいろな業界を知れる」「人事の人と面接前に話せる機会になって良い」「他の就活生と知り合うことができる」などの意見がありました。
就活の初期段階に特にお勧めで、面倒だと思わずに、積極的に参加して情報を掴んでいくことが良いきっかけになるかもしれません。ただ、先ほど紹介したスカウト型サイトが優先です。
優先度③:通常の就活サイト
通常の就活サイトとは、マイナビやリクナビです。意外かもしれませんが、これらをメインに使うことはありません。
・行きたい企業がはっきりしていて、その企業の情報を手に入れたり、説明会に応募する場合
・行きたい業界と職種の両方がはっきりしている段階で、それに合う企業を探す場合
の2種類でしか、これらのサイトを使うことはありません!!! これら以外で使うと、自分の意図とは沿わない企業に申し込む可能性があります。
インターンへの参加について
インターンへへの参加目的
根本的に、どうしてインターンに参加するのでしょうか? インターンがやっているから参加する。みんな参加しているから参加する。そのような考えの人は、目的を再確認しましょう。
インターンの目的は以下の2つに集約できます。
①企業が、就活生の能力を判断する
②就活生が、企業の中身を判断する
①の「企業が、就活生の能力を判断する」というのは、言ってみれば選考です。
よく、「このインターンは選考と一切関係ありません」 と言われますが、基本的に嘘です。実際、「このインターンは選考と一切関係ありません」 というインターンの直後に、採用見送りのメールが来た学生も多いです。少なくとも、「できる学生」のマークは必ずしています(あの学生良さそう的な)。
②の「就活生が、企業の中身を判断する」ですが、こちらの方が重要です。
インターンでは、企業の人と話す機会があったり、同じ会社を志望する人(将来的に同期になる可能性がある人)と話す機会があります。そこで、雰囲気が合っているかや、将来的にそこにいる人たちと一緒に働いていけるかどうかを「就活生側が」判断することが大切です。選考に入ってから「なんか雰囲気違う」となっては時間が無駄なので、インターン段階(就活の前半)でそのような判断をしておきましょう。
インターンへの参加は必要?
先ほど示した、①と②について、当たり前かと思われたかもしれません。しかしこれらの少なくとも一方を目的としない限り、インターン参加は無意味になります。
・企業に「自分はできる学生だよ」とアピールしにいく
・その企業が自分に合っているかを判断しにいく
のいずれかの目的を持ってインターンに参加するなら、ぜひインターンに参加しましょう!
「あ、とりあえずで申し込んでた」という人は、本当にそのインターンに参加するか考えましょう。
就活で生じる可能性のあるトラブル
就活トラブル①:オワハラ
内定を取れたら大喜びで就活終了! という訳にはいかない場合が多々あります。特に、滑り止めとして企業の選考に進んでおり、その企業から内定をもらった場合です。内定をもらったら、内定を承諾する必要があります。内定を2つ以上「承諾すること」は基本的にNGです(法律上は問題ないはずですが、倫理上アウトです)。
親切な会社は、6月末まで内定承諾の提出を待ってくれる(=他の企業の選考を受けても良いということ)のですが、不親切な会社(人気がなかったり、人手不足の会社は特に)内定承諾を急がせてくる場合があります。内定承諾を出したら、就職活動が終了することになるので、就活を継続したい場合には内定承諾書の提出を待ってもらう必要があります。
このように、内定の承諾は重要な役割を持っていますが、「就職活動を終了して、自分の会社に内定承諾をすぐに出せ」と言ってくる会社があり、これを「オワハラ」と言います(ちなみに、オワハラは厚生労働省が禁止していますが、実際にはたくさん存在します)。このオワハラは経験すると相当なストレスになります。
オワハラを受けた時には、まずは、負けないこと(すぐに承諾してしまわないこと)を頭に入れましょう。適当に時間を稼いで(2週間待ってくれとか)帰るのが得策です。そして、対応としては以下が考えられます。
・大学のキャリアセンター(身近な教授でもOK)や他の企業(第一志望や相談しやすい企業でいきたいところ)に相談する
・「承諾の判断は6月にしたいからそれまで待ってくれ」と毅然と対応し、無理と言われたら内定を辞退する
筆者自身経験があり、相当辛いですが、かんばりましょう! 対面の時には、とにかく時間を稼いで「帰る」ことが大切です!!(強調)
オワハラを受けた後の対応に関する記事はいっぱいあるので、ググってみましょう。
内々定:内々定とは、内定をもらう企業との約束のこと。内定を実際に貰うのは10月である。犯罪などを犯さない限り、内々定=内定なので、内定と内々定にあまり違いはない。
就活トラブル②:「選考には関係ありません」で落ちる
インターンの説明の際にも書きましたが、「このインターンは選考には関係ありません」と言っているにも関わらず落ちるケースがあります。それ以外にも、
・説明会でアンケートを書いたら落ちる
・SPIは参考で、選考には一切関係ないと言っていたSPIの受験直後に落ちる
など、さまざまな「不遇に落ちるケース」が考えられます。落ちた時にはムカつきますが、常識がない企業に入らなくてよかったと思って切り替えましょう。
意味不明に落ちるケースがありますので、深刻に捉えすぎないようにしましょう。
自己分析の方法と自分に合った企業の見つけ方について
「優秀な人はどこの会社でも行ける」は大きな間違い
自己分析は就活の最大の壁となります。「自己分析不足で落ちる」みたいな記事をSNSで見かけます。所詮、その記事を読ませるための適当なフレーズだと思っていましたが、就活を思い返すと、初期は自己分析不足で落ちていました。自己分析を軽視せずに、行うことを非常に強くお勧めします(自己分析はインターンの100倍大切です)。
筆者自身の昔話を少しします。(傲慢に思えるかもしれませんが)自分は非常に優秀だと思っていました。勉強もそれなりにできて、論理的思考もあって、組織で数十人の組織マネジメントをしてきて、メディアや出版の経験も豊富で……、と、自分では万能人間だと思っていました。だから、就活を始める前には「就活で落ちるわけがない。自分を必要としない企業があるわけがない。」と思っていました。
結果は就活に落ちまくります。そして、次のようなことに気がつきました。
企業は優秀な人材を求めているわけではなく、自分の会社と「合う人」を求めている
ということです。また俗な例えをしますが、告白する時をイメージしてください。いくら自分がお金持ちだったとしても、告白してOKが毎回返ってくるわけではありません。相手は、お金持ちよりも、性格を重視しているかもしれませんし、趣味が合う人が良いと考えているかもしれません。
就活に置き換えると、自分が「企業にとって、合う人」でなければ、合格しないということです。就活は、自分がすごければ良いのではなく、相手企業とのマッチングが重要であると頭に入れておきましょう。
自己分析①:3つのスタート地点から考えよう
さて、マッチングというキーワードが出てきましたが、どのようにマッチングを考えたら良いのでしょうか? マッチングには自己分析と企業との比較が必要です。自己分析には大きく3つの考え方があり、この3つ全てを満たすような企業を見つけることが「企業とのマッチング」となります。
①自分は何をしたいのか
②自分には何ができるのか
③社会的に必要とされていることは何か(企業が求めていることは何か)
以上の3つとなります。例えば筆者自身の例で言うと、
①自分は「教育」がやりたくて、
②自分はメディアや出版ができて、
③社会的に「専門的な知識」を分かりやすく伝えることが求められている
となり、教育系の出版・メディアを志望することにしました。今の内定先企業は、自分のやりたいことと、企業側の求める人材がドンピシャで合致したため、内定をいただけました。
もちろんこれは一例に過ぎません。また、①〜③のそれぞれの項目が簡潔にまとめられるとは限りません。①〜③の項目それぞれについて、思いつく限り箇条書きで書き出してみて、①〜③の全てを満たす会社は無いかを見つけ出しましょう。
自己分析②:企業に自分の適性を見つけてもらう
自己分析①は、正直言って理想論です(でも伝えないといけない内容なので書きました)。就活中盤くらいでうまく言語化できるようになるかもしれません。「あ、自分の考えって、あの記事で見た①〜③に当てはまるな」となる時が来てくれればOKです。
多くの人の悩みは「自分のやりたいことが分からない」だと思います。そこで、自己分析①では上手くいかない人に私がお勧めしたい方法は、企業に自分の適性を見つけてもらうという方法です。
具体的な方法は、以下の①〜⑥の手法です。
②スカウトをもらう
③スカウトをしてくれた企業の詳細を見る
④その企業で働きたいかや、働くイメージができるかを考える
⑤興味があればスカウトを承諾し、興味がなければ辞退する
(②〜⑤を繰り返す)
⑥「承諾した企業の共通点」と「承諾した企業と辞退した企業の相違点」の2つを考える
スカウト型サイトは、企業が、「この学生は自分の会社に合うかも」と思ってスカウトをしてくれているので、自分がその企業にある程度合っている可能性が高いです。そのため、スカウトをくれるような企業は、自分が働くのに向いている場合が多いです。
そのような「自分に合っているかもしれない会社」の共通点を探すことで、どんな企業を探していけば良いのかが分かります。また、「なんか嫌だな」と思う企業には、その理由があるので、それを見つけていくことで自分なりの軸が見えてきます。
例えば…
・メディアは面白そうだけど、自分で記事を執筆するの(記者)は嫌だな
・教育をやりたいけれど塾は嫌だな
・不動産をやりたいけど、toCは嫌だな
などの理由が考えられます。そんな「嫌な理由」を大切にして、集めて、分析しましょう。
受ける企業の選び方
「この会社が良い」というのが特に無いけれども、志望業界と志望職種がはっきりとした場合には、マイナビ・リクナビで検索して、良さそうな会社を選んで行く形になると思います。いくつか、会社選びの指標をご紹介します。
企業選び①:選考の方法や回数
内定までのステップがどれくらい長いのか、またはその内容について説明します。
内定までのステップは、基本的に「説明会→テスト(性格診断)→1次面接→2次面接→最終面接」という会社が多いです。説明会+テスト+3回の面接という形式ですね。ただ、途中に面談が入ったり、座談会が入る場合も多いです。選考期間としては、1〜2ヶ月程度が目安です。
多い時には5次面接まであったり、少ない時には2次面接で終わることもあります。
選考ステップの種類としては、以下が代表的です。
→1時間半程度で終わることが多く、60分程度の一方的な話と30分程度の質疑応答で構成される場合が多い。・テスト
→SPIといったテストや性格診断など。近年はオンラインで実施されることも多いが、テスト会場で受験させてくる会社も稀にある。・面談
→人事の人と自由に話ができる機会。会社の話と自分の話を半々程度にする。半分は自分が質問をしないといけないので、質問をたくさん用意しておくことが必要。
・面接
→志望理由・自己PRなどを聞かれる。30分〜60分程度が一般的で、慣れると30分は短いと感じるようになる。面談と同様に、多くの場合は最後に自分が質問をしないといけないので、質問を用意しておくことが必要。
・座談会
→人事以外の社員と話すことができる機会。面談と同様に自分が質問をしないといけないので、質問をたくさん用意しておくことが必要。
・グループワーク
→3〜10人程度でディスカッションをさせられる。グループに社員が1人いて、グループのディスカッションを評価している。
・課題
→何か一定時間(期間)で制作物を作成して提出することが多い。デザイン系の職種に多い。
例えば、グループワークが苦手ならグループワークが選考に入っていない企業を、SPIなどのテストが苦手ならテストのない企業を探しましょう。選考フローは大抵の場合書いてあるので、必ず確認をしましょう。
企業選び②:ホワイトかブラックか
ほとんどの会社では、採用情報の募集要項というページに給与や休日が書いてあります。それらについて基本的なことを解説します。
*ブラックだから悪いという人がいますが、「若いうちに死ぬほど働いてお金を稼ぎたい」という人もいるので、一概にブラックが悪いわけではありません。望んでいないのにブラックであるという状況が悪いので、どのような環境で働きたいのかや、ワークライフバランスは明確化しておきましょう。
指標①:給与
・基本給
→基本的に毎月必ず貰えるお金
・月給
→基本給に加えて、もろもろの費用(役職手当、固定残業代)が加えられた値
例えば、「基本給23万」と「月給23万」という2つの表記があったら、「基本給23万」の方が良い場合が多いです。
・固定残業代
→残業が発生してもしなくてももらえる残業代になります。
固定残業代30時間分45000円とあれば、残業が0時間でも10時間でも30時間でも、毎月45000円を必ずもらえます。もし40時間残業すれば固定残業代30時間分に加えて、10時間分の残業代が払われます。
固定残業代30時間とあったら、その会社は30時間程度の残業を前提としています。固定残業代45時間とあったら、その会社は45時間程度の残業を前提としています。固定残業代がある会社は、残業時間の目安が提示されていると思って見ましょう。
*昇級や昇進を重要視する人は、説明会等で必ず評価制度などを聞いておきましょう。
指標②:休日
休日には3種類ほど表記があります。
・完全週休2日
→毎週確実に2日休めます。例えば土日両方お休みなのがこれに該当します。
・週休2日
→月に最低1度、週に2日休める週があるよ、という意味です。つまり、土曜日出勤をする可能性が高い会社となります。完全が付いているかどうかで大きな違いがあります。
給料いいな、と思うと「週休2日」で単に労働時間が長いだけみたいなオチもあるので気をつけましょう。完全週休2日で給料が良ければホワイト企業ですね。
・社内カレンダー
→変則的な休みをする会社です。店舗での勤務をしたりする場合に多いです。水曜と土曜が休みだったり、シフト制のような感じだったりします。説明会や面談で休日について詳しく確認することをお勧めします。
指標③:クチコミ
最後はクチコミです。ただ、信頼性のあるクチコミを見ないと意味がありません。(レストランのクチコミサイトもどれが信用できるかできないか物議をかもしますよね)
クチコミとして信用できるのは「就活会議」というサービスです。就活会議は、大学で使用しているメールアドレスの認証が必要で、信頼性が非常に高いです。内部事情を詳しく知ることができます。
また、就活会議では会社の評価が☆(ほし)で表されていますが、「3.0以上あれば優良企業、3.0未満はブラックの可能性あり」と覚えておきましょう。数値だけを鵜呑みにしてはダメですが、参考にはなるかと思います。
おわりに
「おわりに」を読んでいる方は、お疲れ様でした。この記事は15,000字弱あります。執筆も大変でしたが、読むのも大変だったと思います。少しくらい参考になる部分はあったでしょうか?
最初に示した通り(タイトルにもあるように)、この記事は「スタートガイド」です。何か機械を使いたいのに取り扱い説明書を読んで終わりということはないように、スタートガイドを読んだら次のアクションがあるはずです。スカウト型サイトへの登録、自己分析、テスト慣れなど、色々あると思います。何か1つでもこの記事を読んだ直後にアクションしましょう。
私は、自分が就活しながらも、同期の就活相談やESの添削などを行ってきました。ESの添削本数は30本を軽く超えたと思います。自分が就活で苦労して、そこから得た知見を口頭で共有してきました。
そして、次に後輩たちが「同じ悩みが繰り返されるのは嫌だ」という想いからこの記事の執筆に着手し、校了しました。私や、その友人たちの知見がこの記事には詰まっています。多くの人に読まれることを願って、本記事の終わりにします。ありがとうございました。
私や、その他の人の就活について、具体的な話を知りたい方は、インタビュー記事をぜひご覧下さい。