早稲田大学の給付型奨学金の貰い方〜成績の取り方・審査書類の書き方〜

早稲田大学の給付型奨学金の貰い方〜成績の取り方・審査書類の書き方〜

はじめに:早稲田の給付型奨学金を貰うには?

みなさん、大学には給付型奨学金と呼ばれる制度があるのをご存知ですか?

給付型奨学金とは、還付型奨学金と違って返納する義務のない奨学金のことです。例えば年額40万円支給されるなら、その40万円は全部自分の懐に入るわけです。最高ですよね。

ではどうすれば、給付型奨学金をもらえるのでしょうか。

今回は、2018年〜2020年にかけて3年連続で早稲田大学から「大隈記念奨学金」という給付型奨学金をもらっている私が、早稲田の給付型奨学金について詳しく語ります!

給付型奨学金のシステムに興味がある方は、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。

早稲田の給付型奨学金

早稲田大学の給付型奨学金は約100種類ありますが、その中でも有名なのが

  1. 都の西北奨学金
  2. 小野梓記念奨学金
  3. 大隈記念奨学金

です。一つずつ見ていきましょう。

早稲田の給付型奨学金①:都の西北奨学金

都の西北奨学金は、新入生を対象にした奨学金なので、入試前(7〜9月または12〜1月)に申請する必要があります。

申請するための経済的な条件は以下の通りです(詳しくはこちらをご覧ください)。

給与・年金収入の場合 その他収入のみの場合 複数種類の収入がある場合
800万円未満 350万円未満 非公開

申請が受理されると、年額45万円〜70万円の奨学金が給付されます。学部ごとに給付額が違うので、詳しくは以下の表をご覧ください。

政治経済学部、法学部、文学部、文化構想学部、文系教育学部、社会科学部、商学部 人間科学部、スポーツ科学部、国際教養学部 理系教育学部、基幹・先進・創造理工学部
45万円 65万円 70万円

採用人数は1200人とかなり多いですが、毎年進級時に家計収入と成績から奨学金給付の判定が行われ、家計収入または成績が奨学金給付に不適当だと判断された場合は、給付が停止されてしまいます。注意しましょう。

早稲田の給付型奨学金②:小野梓記念奨学金

小野梓記念奨学金は、経済的に著しく困窮する家庭に支給する奨学金です(詳しくはこちらから)。都の西北奨学金と違って、成績の基準はほとんどありません。

支給額は年額40万円で、学部生200人研究科(大学院)188人を対象に支給されます。

ただ、新入生を対象にした募集は2021年度から廃止されるので、今後は在学生のみを対象とする奨学金に切り替わります。大学の無償化が叫ばれている現状と逆行するような変更ですが、仕方ありませんね。

早稲田の給付型奨学金③:大隈記念奨学金

大隈記念奨学金は、成績が著しく優秀な学生に支給される奨学金です(詳しくはこちらから)。2018年度から経済基準がほぼ撤廃され、成績基準を重視して選抜されるようになりました。

給付額は年額40万円で、基本的に学部生は各学部各学年2人ずつ、修士の学生は各研究科各学年1人ずつ選抜されます(創造理工・先進理工学部のみ学部3年生を対象に5人の給付。創造理工学部は年額64万円)。

学内の奨学金で唯一、経済基準がない奨学金になっています。大隈記念奨学金は成績次第で誰もが獲得できるので、ぜひ狙ってみてくださいね。

早稲田で給付型奨学金をもらうために

学内奨学金は3つまで併用可能できます。

つまり、都の西北・小野梓・大隈を併用すれば最大70 + 40 + 64 = 174万円が支給されるのです!

経済的状況は自分だけではコントロールできないので、できるだけ多くの奨学金を併用するには成績を優良に保つのが大事です。

特に大隈記念奨学金は成績だけで判定されるので、自分の努力次第で(学生にとっては)大金を手にすることができます。

そこで以下では、給付型奨学金を獲得するための成績の取り方を説明します。

早稲田で給付型奨学金をもらうために必要な成績

早稲田大学の成績は、GPA(=Grade Point Average, 平均評定)という計算システムを基に算出されています。

科目の点数に応じて0~4までのGPが決まり、その平均値としてGPAが算出されます。

科目の点数とGPとの対応関係は以下のようになっています。

科目の点数 GP
90点以上 4
80点以上90点未満 3
70点以上80点未満 2
60点以上70点未満 1
59点未満 0

では、給付型奨学金をもらうにはどれくらいGPAがあればいいのでしょうか。

都の西北・小野梓記念・大隈記念奨学金の中で最も成績基準が高いのは大隈記念ですが、大隈記念奨学金をもらうためには大体3.70以上のGPAが必要になります。

ただし、学部ごとにGPの取りやすさは変わりますので、3.70以上あれば必ず大隈記念奨学金を貰えるわけではありません。

私の所属する人間科学部は、比較的GPの取りやすい学部なので、大隈記念奨学金を取るには最低3.80程度のGPAが要求されます。

大隈記念奨学金の成績基準は相対評価(各学部各学年上位2人)なので、不安な人はぜひGPA4.00(満点)を目指してください。

満点さえとっていれば、満点獲得者が3人以上いない限り絶対に大隈記念奨学金を獲得できますからね(※GPA満点が3人以上出たという話は聞いたことがないので、実際には満点を取ればほぼ大隈記念確定だと考えて問題ありません)。

早稲田で給付型奨学金をもらうための勉強法

給付型奨学金を確実にもらうには、GPA満点を目指す必要があります__と他人に言うと、

「そりゃそうだけど、無理でしょ」

と言われることが多々あります。

しかし、

無理ではありません。簡単です。履修する全ての科目でA+(90点以上の評定)を取ればいいだけの話です。

じゃあどうすれば全ての科目でA+を取れるのか。

もちろん科目ごとにA+の具体的な条件は異なりますが、A+に求められる内容の本質はほとんど変わりません。

A+に求められる内容の本質とは、ズバリ「その科目(テーマ)で研究を行うための素地」です。

大学の講義・ゼミ・実習は、基本的に研究の導入として機能しています。

その科目・テーマで研究を行うための基本的な知識や技能を身につけるために、大学の授業は用意されています。

先生たちが研究の導入として授業を展開しているのですから、私たち学生も、自分で研究するつもりで授業を聞けば良いのです。

授業の課題図書・先生が配る資料を見ながら気になるテーマを探し、そのテーマについて知識や技能を深掘りする。

専門的なテーマについて深掘りするためには、基礎的な研究テーマについて包括的な知識・技能が必要になるので、授業の内容を真剣に聞く必要がある

授業の内容を真剣に聞いて専門的なテーマを深掘りすれば、成績が良くなるのはもちろん、卒業研究の基礎が出来上がる。

……と、研究するつもりで授業を聞けば自然と成績が上がるようになります。

実際私もこの方法で、大学学部1年の後期からずっとGPA満点を維持しています(以下の写真を参照)。授業と聞けば退屈な印象を受けますが、自分の知りたいことを知って研究するための道具だと考えれば意欲的に受講できますよね。

私の大学学部生時代の成績

簡単なことなので、ぜひ研究を意識して授業を受けるようにしてみてくださいね。

(大学での授業・テストの受け方を詳しく知りたい人は以下の記事をご覧ください)

早稲田で給付型奨学金をもらうための審査書類の書き方

授業を集中して聞いて無事満点(あるいは満点に準じるような好成績)を挙げると、事務局から奨学金の候補生になったとの連絡が入ります。

事務局からの連絡手段は電話だったりメールだったりしますが、いずれにしても連絡を見逃さないようにしましょう。

奨学金の候補生になったとの連絡が入った時点では、まだ奨学金の給付は確定していません。

奨学金候補の連絡が入ってから約1週間以内に、「奨学金選考シート」なる書類を事務局に提出しないと、奨学金の候補から外れてしまうのです。

というわけで、奨学金をもらう学生に相応しいと思ってもらえるような書類を作成していきましょう。

「奨学金選考シート」は、概ね以下のような項目で構成されています。

  1. 奨学金の用途
  2. 現在の経済状況(親と自分)
  3. 現在の学習・研究の状況
  4. 課外活動の状況
  5. 希望する進路

①の奨学金の用途。これはもう、普通に「学費」でいいでしょう。留学・大学院進学を考えている人は、そのための貯金と書いてもいいですね。

②の経済状況については、都の西北・小野梓記念奨学金に関しては事実確認用の書類を提出する必要があるので、正確に書きましょう。

大隈記念奨学金の場合は証明用書類の提出が不要なので、割と適当に書いて大丈夫です。

③はかなり重要です。奨学金をもらう人は学生の模範でなければならないので、「自分は真っ当に勉強していますよ」とアピールしておかねばなりません。

話を盛る必要はありませんが、勉学に励んでいることが伝わるように、現在の学習・研究状況を報告しましょう。

④に関しては、もちろん課外活動の実績があれば書くといいですが、特に何もしていなければ「勉強に集中しています」と書いて問題ありません。実際私は1年生のときほぼ空白で提出して受理されていたので、そこまで重要視されていないと推察されます。

⑤「希望する進路」についても、それほど重要視はされていないようです。大学院に進学するなり、就職するなり起業するなり、好きなことを書けば良いでしょう。

この選考シートによる選考で落とされることはあまりないですが、自分が奨学金を給付されるに相応しい学生であることをしっかりアピールできるように書類を書いてくださいね。

早稲田の給付型奨学金をもらって、学生生活を有意義に過ごそう!

いかがでしたか?

この記事では、早稲田大学の給付型奨学金事情について詳しく説明してきました。

給付型奨学金をもらうと、経済的に大分楽になるので、無理にバイトをしまくる必要がなくなります。

バイトしていた時間を学業や他のやりたいことに回して、より有意義な学生生活を送りましょう!

それでは!!

3件のコメント

  1. こんにちは。
    この記事を読み、大隈記念奨学金を目指して1年間頑張ってきました!
    成績発表を心待ちにしています笑
    事務から候補生になったとの連絡が来るとすれば、大体いつ頃でしょうか。
    どうぞよろしくお願いします。

    ヒトカ
  2. こんにちは。
    わかりやすく面白い記事をいつもありがとうございます。

    自分は人科の4年で、来年度から引き続き人科の院に進学する予定です。
    らりるれろ。さんの記事を拝読し、大学院で大隈記念奨学金を目指そうと決意しました!笑

    1つ質問させていただきます。
    大隈記念奨学金の候補者への通知は、年度の途中(春学期を過ぎた頃?)に来ると思うのですが、入学した年(初年度)は何をもって選考されるのでしょうか。
    初年度については、春学期分のGPAだけで判定するのでしょうか。(大学院の場合は学部の成績?)

    ご存知でしたら教えてください…!よろしくお願いいたします。

    早稲田4年生
    1. 早稲田4年生さん、ご質問ありがとうございます!

      そうですね。初年度は春学期分のGPAだけで判定されます。人間科学部・人間科学学術院の場合、GPA3.90/4.00あれば問題なく大隈記念奨学金を頂けるはずですので、全教科A+を目指して頑張ってくださいね😊

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