人生論・幸福論に飽きている人におすすめの、英語で読める哲学書6選

人生論・幸福論に飽きている人におすすめの、英語で読める哲学書6選

英語で読める哲学書

こんにちは、ライターのらりるれろです。

みなさん、「哲学書」って聞いて、どんなイメージを浮かべますか。

多くの人が、「人生とは何か」とか「幸福とは何か」とか、抽象的なテーマを難しい言葉を使って論じている……っていうイメージを思い浮かべると思います。

人生論とか幸福論ってなんだか胡散臭いですよね。私もそう思いますし、専門書ならともかく、入門書でこうした抽象的なテーマを扱うと、大抵しょうもない結論しか得られません。

しかし残念なことに、日本語で書かれた入門者向けの哲学書のテーマは抽象的なものがとても多いのが事実です。だから哲学が怪しむ人が多くなるんですよね……。

「人生とか幸福とか抽象的なことばっかじゃなくて、もっと具体的なテーマに関する哲学書が読みたい!

そんな不満を抱える人には、思い切って英語で書かれた哲学書に挑戦してみることをおすすめします。

英語の哲学書は、当然ながら日本語の哲学書より圧倒的に数が多く、テーマもたくさんあります。(あとで紹介しますが)ソフトウェアの哲学とか、科学技術の哲学とか。

数が多い分選ぶのが大変なので、この記事では比較的簡単に読めておもしろい英語の哲学書を6冊選んで紹介します。

英語の哲学書を読めば、哲学は抽象的なテーマばかりではないことがわかると思います。ぜひチャレンジして、視野を広げてみてくださいね。

英語で読めるおすすめ哲学書6選

この記事で紹介する6冊の哲学書は、以下のようにそれぞれ異なるテーマで書かれてあります。

  1. 哲学史
  2. 哲学単語集
  3. 科学の哲学
  4. 技術の哲学
  5. ソフトウェアと哲学
  6. テクノロジーと哲学

まずさっとテーマを見て、関心のあるテーマの哲学書から見てもらえれば幸いです!

英語で読めるおすすめ哲学書(哲学史)

最初に紹介するのは、Bertrand Russelという哲学者の著書で、ロングセラーになっている “History of Western Philosophy”です。

Russelについての詳細は、以下の関連記事をご参照ください。


本書では、タイトルの通り古代ギリシアから20世紀に至るまでの西洋哲学史が700ページに及ぶ大ボリュームでまとめられています。

「なげぇ…」と思われるかもしれませんが、別に全部網羅的に読む必要はありません。本書は辞書のようなものだと考えてください。

例えばニーチェについて調べたいなと思ったときに、本書の「ニーチェ」の項を読むと、ニーチェが影響を受けた人物・思想や、逆にニーチェが影響を与えた人物・思想を理解できます。

「自分は哲学史全体を知りたいんだ!」という人には、各章の最初のセクションにある概説を読むことをおすすめします。

概説を読めば、古代ギリシア・中世・近世・近代・現代。それぞれの時代の思想の潮流が大まかに理解できるはずです。

このように本書は、読み手の興味によって様々な読み方ができる哲学書になっています。ぜひ一度手にとって、その重厚感を確かめてみてくださいね。

英語で読めるおすすめ哲学書(哲学単語集)

2冊目に紹介するのは、Marcus Weeksという方が執筆した “Philosophy in Minutes: 200 Key Concepts Explained in an Instant”です。

本書は、哲学で用いられる200の専門用語を1ページ以内という非常に短い分量で解説する「哲学単語帳」になっています!

しかも、各用語解説の冒頭に写真・イラストが添えられていて、解説の内容を直感的に理解しやすいような工夫がなされています。

寝る前に1章ずつ読んでいくと、7ヶ月くらいで哲学を研究する上で必要な基礎知識を網羅的に身に付けられるはずです。

英語も簡単なので、語学力に不安がある人にもおすすめできます。

哲学の入門者で、簡単に専門用語を理解できるようになりたい人はぜひ手にとって見てくださいね。

英語で読めるおすすめ哲学書(科学の哲学)

3冊目に紹介するのは、Samir Okashaというイギリスのブリストル大学哲学教授が執筆した “Philosophy of Science: Very Short Introduction”です。

本書は、オックスフォード大学出版局(Oxford University Press)が出版している “The Very Short Introductions series”の中の一冊で、いわゆる「科学の哲学」の入門書になっています。

「科学の哲学」についての詳細は、以下の記事をご参照ください。

新型コロナウイルス騒動の中で、よく「科学的根拠に立って〜」という発言を耳にしますが、そもそも私たちは科学にどの程度信頼を置くべきなのでしょうか。

科学は果たして「客観的」なのでしょうか。

科学的な「事実」とは、一体どこにあるのでしょうか。

普段何の疑いもなく信頼されている科学も、その地盤を突き詰めると様々な哲学的課題が浮上してきます。

そのような「科学の哲学」的課題が、本書では平易な英語でわかりやすく論じられていますので、今の科学の現状に少しでも疑問を持っている方はぜひ読んでみてください!

英語で読めるおすすめ哲学書(技術の哲学)

4冊目として紹介するのは、オランダの名門・マーストリヒト大学の教授であるWiebe E. Bijker氏ら3名の共著、 “The Social Construction of Technological Systems: New Directions in the Sociology and History of Technology”です(タイトルが長くてすみません……)。

本書は、人間が生み出してきた技術に関する人文学的な考察が詰め込まれた「技術の哲学書」です。

例えば自転車は、制作段階に応じて様々な形状が試され(前輪だけやたら大きい自転車が有名ですね)、社会的・文化的な要求を受けながら最終的に現在の形状になっています。

技術は理工学的な視点だけで形成されるのではなく、人文学的な背景を持ちながら進展する、というわけですね。本書の中にはこの自転車のような事例がたくさん解説されているので、チェックしてみてください。

個人的には、最終章で論じられている人工知能と人間との関係の議論がおすすめです。人工知能技術の発達によって人間の定義も変化するという議論はとてもクールで刺激的です!!

英語で読めるおすすめ哲学書(ソフトウェアと哲学)

5冊目に紹介するのは、フランスで政治哲学者として活躍しているColine Ferraratoさんが著した “Prospective Philosophy of Software: A Simondonian Study”です。2020年2月に発行された新刊です!

本書では、20世紀フランスで活躍した哲学者ジルベール=シモンドンの思想を援用しながら、

  • 「技術とは何か」
  • 「ソフトウェアを私たちはどのように知覚しているのか」

といった問題が哲学的に論じられています。

「ソフトウェアと哲学」という、あまり見かけない組み合わせの議論は、理工学系の学生にも人文学系の学生にも新鮮に映るはずです。

本書が素晴らしいところは、最初から読者目線に立った文章展開になっている点にあります。

本書は、以下のような一文で始まります。

「ある日、この本の執筆を続けるために座っていると、ソフトを処理する言語が、ブランクページを『開く』ことを拒否した」

この一文から、「ブランクページ」に関する哲学的な考察が展開されていくのですが、まるで小説の書き出しのようでかっこいいですよね。

情報技術は、今や非常に身近な存在になっていますし、ソフトウェアの哲学はこれから進展していくのかもしれません。

みなさんも本書を読んで、ソフトウェアの背後にある哲学的な可能性について考えてみてはいかがでしょうか?

英語で読めるおすすめ哲学書(テクノロジーと哲学)

最後に紹介するのは、オランダの名門トゥウェンテ大学で教鞭を執るNolen Gertz氏の著作 “Nihilism and Technology”です。

本書では、「ニヒリズム(虚無主義)」というニーチェの中心思想を援用しながら、私たちの善悪の価値観と技術の生産・使用との関係について論じられています。

テクノロジーの善悪を問う議論は、テクノロジーが私たちの生活にとって良いか悪いかという点を際限なく追求する傾向にありますが、本書のテーマはもう少し深いところにあります。

単純にテクノロジーの善悪を議論するのではなく、そもそも私たちにとっての善悪とは何で、その考え方はどのように技術の生産や使用を可能にしているのかということがテーマになっているのです。

そして筆者は、テクノロジーの生産・使用にはニーチェのニヒリズムの思想が深く関わっていると指摘しています。

ニヒリズムを捉え直すことで、YouTubeやNetflix、Twitter、Googleなどによって席巻されているテクノロジー社会の基盤が見えてくるのだ、と。

厭世の大哲学者ニーチェと現代のテクノロジー社会との関連に興味がある人は、ぜひ本書を手にとってみてください。

今使っているスマホやPCに対する考え方がガラリと変わるはずです!

英語で哲学書を読めば世界が広がる

いかがでしたか?

この記事では、英語で読める面白い哲学書を6冊選んで紹介しました。

哲学というものは人生論や幸福論ばかりじゃないんだということがわかっていただけたかと思います。

日本語の哲学書は、基本的に日本国内でしか書かれませんし読まれません。

ですが、英語の哲学書は世界中で発行され、読まれています。英語で哲学書を読めば、世界中の研究成果に触れられるのです。

「やっぱり英語は不安……」という人もいるかもしれませんが、読んでいくうちにだんだんと慣れていくはずです。

英語の哲学書を読めるようになると本当に世界が広がるので、臆せずチャレンジしてみてくださいね。

それでは!!

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