はじめに

こんにちは。最近卒論執筆と図書館閉鎖のダブルライアットを喰らって瀕死のライターらりるれろです!

卒論といえば、私の専門はフランス現代思想なのですが、知人に自分の専門を話すときに「現代思想って何なの?」とよく聞かれます。

「現代思想」ってなんだかかっこいいけど、漠然とし過ぎててどう学べばいいかわからない……

そんな方のために、この記事では現代思想を理解する方法を3つのステップにわけ、それぞれのステップで1冊ずつおすすめの哲学書を紹介します!

現代思想を理解するための3つのステップ

哲学書紹介に入る前に、まずは現代思想を理解するための3つのステップを説明しておきましょう。

  • 近代から現代までの思想の流れを大きく掴む
  • 20世紀前半から1980年頃までの思想の流れを掴む
  • 直近30年くらいの思想の流れを知る

現代思想とは大体20世紀前半以降の思想を指すことが多いのですが、20世紀前半以降の思想を知るためには、その前提となる近代の思想も知らなければなりません。

ですからまずは、近代から現代の思想の大枠を掴みましょう。

その後20世紀の思想を学ぶことになるのですが、20世紀の思想の中心は「ポストモダン」と呼ばれる時代にあります。大体1980年代くらいまでの思想のことですね。

その後は「ポスト・ポストモダン」とでも言うべき時代に入っているので別個に考えなければなりません。

というわけで、「近代〜20世紀」・「20世紀の1980年代まで」・「直近30年」という3つのステップを踏まえて現代思想を理解しましょう!

この記事はこんな人におすすめ!

  • 現代思想に興味があるけれど、学んだ経験はない人
  • 現代思想をこれから研究したいと思っている人

現代思想を理解するためのおすすめ哲学書3選

それでは、現代思想を理解するためのおすすめ哲学書紹介に移りましょう!

「近代〜20世紀」・「20世紀の1980年代まで」・「直近30年」というステップごとに1冊ずつ紹介していきます。

自分の理解の程度に合わせて、読むべき哲学書を選択してくださいね!

おすすめ哲学書①(近代〜20世紀):『構造と力』

近代から20世紀までの思想の大枠を掴む上で最適な哲学書として、ここでは『構造と力』を取りあげます。

本書についての詳細は以下の記事をご参照ください。

『構造と力』は、日本の「ニューアカデミズム」という思想潮流を代表する知識人である浅田彰が、弱冠26歳にして公刊した哲学書です。

本書では、カントたちが生きていた近代の時代から20世紀半ばまでの思想史が、「プレモダン」・「モダン」・「ポストモダン」という3つの時代に分けて整理されています。

「プレモダン」・「モダン」・「ポストモダン」の中身をざっくりとまとめると以下のようになります。

  • プレモダン:固定的な上下構造に支配された時代
  • モダン:上下構造が絶えずひっくり返る時代
  • ポストモダン:上下構造が存在しなくなる時代

この時代区分が必ずしも正しいとは言えませんが、このように思想史を考えると、未来の社会の指針が見えてきます。

例えば、未だに世襲制度を採っている会社があれば、

「その考え方はプレモダンですよ。まずはモダンになりましょうよ。」

と批判できます。今のところ社会の大部分はモダン以前に止まっているようなので、これからはポストモダンになるべく努力しなければならない、というわけですね。

このように、本書を読めば、近代から20世紀半ばまでの思想の大枠を捉えられ、今後の社会が進むべき道が見えてきます。

年若いみなさんが、社会に出る前にぜひ読んでほしい一冊です!

おすすめ哲学書②(20世紀の思想):『現代哲学』

近代から20世紀までの思想の大枠がつかめたら、本書『現代哲学』を読んで、20世紀の思想の中核を学びましょう!

本書は、東京大学で教鞭をとる哲学者・門脇俊介が、半期の大学の講義用に執筆した哲学書です。実際、私も3年生のときにゼミで本書を輪読しました。

教科書なので、哲学について基礎的な知識がない人でも読めるようになっている優しい本です(笑)。

本書では、哲学の重要な命題の一つである「知識とは何か」というテーマを中心に据えて、知識を司どる言語とその意味、知識に基づく行為とその意図についての現代哲学の研究が解説されています。

巻末にはアメリカ・イギリス・フランス・ドイツの20世紀の思想の潮流がフローチャートで掲載されており、一目で現代思想の流れがわかるようになっています。

ソシュール・フッサール・ハイデガー・デリダ・ラッセル・サルトル・フーコー・ウィトゲンシュタイン・オースティンなど、英語圏・フランス語圏・ドイツ語圏の哲学者たちを網羅的に学べので、非常にコスパがいい哲学書と言えますね。

本書を読むだけで20世紀の中核となる思想は理解できます。しっかり読み込みましょう。

おすすめ哲学書③(直近30年の思想):『現代思想43のキーワード』

さてさて、1980年代くらいまでの思想を網羅できたら、ダメ押しで直近30年の哲学についてサクッと学びましょう。

(雑誌「現代思想」については以下の記事をご覧ください)

「ポスト・ポストモダン」である直近30年間の研究はまだ発展途上なのですが、本書『現代思想43のキーワード』では、ここ30年の思想の研究成果がわかりやすくまとめられています。

本書は、思想系雑誌「現代思想」2019年5月増刊号として発表されたもので、タイトルの通り現代思想を彩る43のキーワードが解説付きで並べられています。

特に面白いものを挙げると、こんな感じです↓

  • 新しい実在論
  • 新しい唯物論
  • 分析形而上学
  • ポスト・トゥルース
  • 思弁的実在論
  • オブジェクト指向存在論
  • ディストピア/ポストアポカリプス

などなど、単語を知るだけでも勉強になりますね。

「全部を知る時間がない!」という方は、本書冒頭の、哲学者・千葉雅也と精神病理学者・松本卓也の対談を読むだけでも構いません。

現代思想の最前線を走るお二人が、ここ30年の研究成果をわかりやすく紹介してくれています。15ページくらいなので、スキマ時間に読めると思います。

最先端の現代思想を知っておけば、知識人と話すときに役に立つはずです。今のうちにしっかり勉強しておきましょう!

おわりに

この記事のまとめ

現代思想を理解するための3つのステップとおすすめ哲学書

  • 近代〜20世紀の思想を掴む:『構造と力』
  • 20世紀の思想の中核を掴む:『現代哲学』
  • 直近30年の思想を掴む:『現代思想43のキーワード』

現代思想を学べば未来が見えるようになる

いかがでしたか?

この記事で紹介したような哲学書を読んでいれば、現代思想に関して網羅的な知識が得られます。

現代思想について豊富な知識を持っていれば、これからの時代の新たな知の行方を予想できます。時代の波に乗りたいなら、今のうちに現代思想を学んでおきましょう!

1件のコメント

  1. ピンバック: フランス現代思想・入門におすすめの5冊の哲学書をわかりやすく解説! | 【OLUS】オンライン図書館

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